SWOT分析で自社の知的財産を把握しよう

自社の知的財産は何か(権利として登録されているかいないかは別として)、正確に把握していますか?
知的財産を法律的に守られた権利とし、さらに事業に活用することを考えるならば、まず自社の知的財産を把握する必要があります。よく知られたSWOT分析の手法を活用した、自社の知的財産の把握プロセスをご紹介します。

どの企業も必ず持っている知的財産

競争戦略上の知的財産の重要性は、よく知られたところです。その一方、「ウチは中小企業だから知的財産とは縁がない」という声もときどき聞かれます。しかし、どの企業でも探してみれば知的財産が見つかるものです。知的財産は、高性能な製品やレベルの高い技術に限った話ではありません。
一つの製品が完成するまでには、設計、部品調達、製造、検査など様々な工程があり、それぞれ知恵と工夫をこらしているのではないでしょうか。実はそれぞれの工夫を裏付ける知恵こそ、知的財産の中核です。特に自社の競争力の源泉がすぐれた技術にある場合は、その技術をコアとする知的財産を特許のような形のあるものにしていくことが重要であり、有効でもあります。
独自の技術があれば特許権を、独自のデザインがあれば意匠権を、独自のネーミングがあれば商標権を得て、ビジネスに活用することが競争優位につながり、利益を生み出します。日々の工夫と知恵が知的財産につながる可能性を持つことを認識し、それらを保護・活用するためにはどうすればよいかを考えていきましょう。

SWOT分析で強みと弱みが見えてくる

自社の強みを把握するために用いられる手法の一つが「SWOT分析」です。自社の特徴とビジネス環境を強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)の4つの側面から分析することにより、ビジネス発展の方向性を考える指針を与えてくれます。まとめると次のようになります。

■強み(Strength):自社の強みとして生かせる技術や製品の特徴は何か?

■弱み(Weakness):逆に見て、弱みになり得るものは何か?

■機会(Opportunity):自社を取り巻く環境はビジネスチャンスにつながるか?

■脅威(Threat):逆に見て、脅威やリスクになり得るものは何か?

この分析から、「自社の特徴を強みとして活かし、弱みに転化させないためには」、「ビジネス環境の変化を脅威として受け止めるのではなく、事業機会として利用するには」を考えていきます。SWOT分析は、自社の特徴を再認識してそれをビジネス上の強みとして生かす出発点として、たいへん有用です。SWOT分析のように大局的な手法を用いて自社のビジネス発展の方向性を考えつつ、日々の工夫と知恵の積み重ねから知的財産を形にしていくことは、中堅・中小企業経営にこそ求められています。当事務所の弁理士は、そのお手伝いを致します。

弊事務所では東京・新宿を拠点に、弁理士でもあり技術士(電気電子)でもある黒田雄一が、技術と知財の両面から中堅・中小・ベンチャー企業を支援致します。高い技術を持つ弁理士として、首都圏を中心にハイレベルなサービスを提供しております。知的財産のことなら、何でもお気軽にご相談下さい。